「あかもく」三陸味処 三五十(みごと) 取材体験記

あかもくの魅力

取材の様子

 大杉繁雄さんのご自宅兼作業場であかもくの佃煮を作った。直径1メートル弱の鍋で岩手県産の「くずまきワイン」と醤油などでできた出汁を加熱し、その中にあかもくを投入して、しゃもじで鍋の底が焦げないようにかき混ぜ続けた。実際にやってみると水分を含んだあかもくは予想以上に重く、かなりの体力と集中力が必要だと感じた。煮続けて2時間、大鍋の中を覗くと水分が抜けて佃煮のようになっていた。

あかもく作りの様子

 ただ、佃煮はそれでも未完成のため、既に作られた佃煮をご飯の上にのせて食べてみた。「コリコリ」とした歯ごたえと自家製の出汁の味がマッチングしていた。あかもくはダイエット食品としても研究されていて、食べ続けると、肥満の人の体重が落ちる一方で、痩せ型の人の体重は落ちることなく健康を維持できるとのこと。

海辺でのスナップ

 大杉さんが経営する「三陸味処三五十(みごと)」にも伺い、開発中の「あかもく裏メニュー」をいただいた。これを見て私は意外な組み合わせに感じた。最初は、ソフトクリームの上にあかもくの佃煮をのせたものだった。試食するとソフトクリームの甘さと佃煮の味と歯ごたえが美味くて、癖になる食感だった。続いて、砂糖入りの牛乳にあかもくの佃煮の出汁が入った飲み物もいただいてみると、牛乳の甘味と出汁の塩味が混ざってココアと似た味。これも美味しかった。

あかもくの商品

 他にも「あかもく焼きそば」など10種類ほどを研究中とのことだった。正式なメニューにする予定はまだないが、注文すれば出して下さるそうなので、訪れた際にぜひ食べてもらいたい。

 美味しくて、健康によくて。あかもくを山田町から全国に発信して、この魅力を伝えたい。

盛岡大学2年 武蔵 和弘(岩手県盛岡市出身)